代表取締役社長
長尾 真
いつも神姫バスグループをご利用いただき、誠にありがとうございます。
昨年度は、深刻化する乗務員不足の解消を図るための更なる処遇改善や、燃料費をはじめとした物価高騰などに対処し、公共交通として持続的に安全・安心な輸送サービスを提供するため、2度目となる一般路線バスの運賃を改定いたしました。
また、2027年に迎える創立100周年事業の一環として、本社を姫路と神戸の2拠点とすべく、2025年1月に「神戸本社」を開設いたしました。神姫バスグループは、2030 年のあるべき姿として「地域に不可欠、なくてはならない『まちづくり・地域づくり企業』へ進化する」という『グループ構想2030』を掲げ、神姫バスグループが展開する事業等によりワンストップでサービスを提供し、地域を支える“ライフプラットフォーム”の確立を目指しています。この『グループ構想2030』を達成するためには、より地域に根付いた対応を行う必要があると考えました。そこで、中心となる本社を1 拠点ではなく2 拠点化し、これまでの姫路に加え、兵庫県の中心地であり、神姫バス設立当初の本社所在地(神戸市須磨区、1927年8月~1928年3月)であった神戸に「神戸本社」を構えることとしました。新設した「神戸本社」では、事業拡大だけでなく、多様な働き方に沿ったオフィス環境を構築することで、優秀な人材へのアプローチ、エンゲージメントの向上、社員の成長機会の提供などを推進してまいります。
さて、2025年度は神姫バスグループの事業エリアで、大きなイベントが続きます。
まずは、4月5日に連節バス“Port Loop”が運行する神戸ウォーターフロントエリアにおいて、「GLION ARENA KOBE(ジーライオンアリーナ神戸)」を中心とした「TOTTEI(トッテイ)」が開業します。「TOTTEI」の開業に伴い、“Port Loop”の停留所に『アリーナ前』や『ジーライオンアリーナ神戸』停留所を新設し、快適なアクセスを提供します。
次に、神戸空港での国際チャーター便就航が4月18日から始まります。この就航に伴い、新神戸・三宮~神戸空港間(愛称:マリンエアシャトル)を増便するとともに、国際線の発着ターミナルとなる神戸空港第2ターミナルへの乗り入れを始めます。今後、本格的な国際線化が予定されており、訪日外国人観光客による神戸や兵庫県内への移動需要に対応してまいります。
そして、大阪夢洲では4月13日から「大阪・関西万博」が開催されることを受けて、姫路・加古川、神戸空港・三宮、三田から のアクセスバスを運行いたします。加えて、「大阪・関西万博」開催期間中に、兵庫県全体をパビリオンに見立てた「ひょうごフィールドパビリオン」のプログラムを神姫バスグループとしても提供しており、「大阪・関西万博」の来場者を兵庫県内へ誘致する取り組みも積極的に行っていきます。
更に、神姫バスグループの展開として、「瀬戸内周遊ツアー」の定期観光バス化と、淡路島・北淡震災記念公園内に「AWAJI EARTH MUSEUM」(アワジ アース ミュージアム)をオープンいたしました。
「瀬戸内周遊ツアー」の定期観光バス化は、訪日外国人観光客や首都圏からのお客様をターゲットとして、瀬戸内エリアを新たな魅力ある観光地として売り出しました。オーバーツーリズム対策の受け皿とすること、また瀬戸内エリアの観光活性化を目的として、この度ツアー形態から定期観光バス(乗合バス)形態へ移行し、より便利にご利用いただけるようになりました。
「AWAJI EARTH MUSEUM」では、地産地消をテーマにした飲食ブース(CAFE)や淡路島ならではの商品を並べた物販ブース(SHOP)だけではなく、約1,000㎡ある庭園(GARDEN)を活用した自然体験コンテンツを提供してまいります。
今年度は、神姫バスグループを国内だけではなく海外へも発信することができる大きな機会と考えていますが、その土台となるのはやはり“地域とのつながり”です。2027年に迎える創立100周年を見据え、あらためて神姫バスグループが地域で果たすべき役割を考え、「地域に不可欠、なくてはならない『まちづくり・地域づくり企業』へ進化する」ことに尽力してまいります。
今後とも神姫バスグループへのご愛顧とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
2025年4月1日
代表取締役社長
長尾 真